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アーティストインタビュー #01 《設楽 陸》

「AAT GUIDE 1」「AAT POINT MAP 2017」 が発行されました!

みなさんどこかで手に入れてくださいねー。

GUIDE発行のタイミングでアーティストインタビューを掲載していく事となりました。

第一弾はAATメンバーでもある 設楽 陸さんです!

インタビュアーは伊藤仁美(まさみ)さんです。

インタビューなんてした事なーーーいと言ってましたが頑張ってインタビューしてますのでお楽しみください!

 

 

仁美 : よろしくお願いします。まず名前と年齢を教えてください。

 陸 : 設楽陸、32です。

仁美 : じゃあ、出身は?

 陸 : 愛知県長久手です。守山に一回アトリエがあって、3年くらい前、守山のほうにも住んでて。30超えてから制作とプライベート別々に出来るようになりました。ちょっと区切るみたいな。

基本まだ制作とプライベート一緒の感覚だけど、ちょっとづつ分けられるように。今、一里塚とタネリをそれなりに行ったり来たりするようになって、分けられるんだ!みたいな。場所を。分けるのってちょっといいなあって最近!

仁美 : どのへんが?

 陸 : 作品の前に24時間ずっと立ってても意外にそんな制作進まないっていうか。考えちゃうし、考えて作品の前にずっといるんだけど、進まない。

仁美 : 行き来すると、気分が変わるから?

 陸 : 気分が変わる。でも基本作品の近くにはいたい。

仁美 : そこにいたい?

 陸 : 多分、俺何でもアリなんだと思う!その環境次第なんだよね、俺。

ずっといるって言われたら、いれるし、区切るなら区切るみたいな。一緒くた、だよ。一緒くた。環境に合わせてくみたいな。環境適応型!

仁美 : つ、強いんですね。

仁美 : 陸さんはどんなジャンルの作品を作っているんですか?

 陸 : 絵画。架空の歴史ノート。ドローイング。セラミック。

仁美 : 色々、やられてるんですね!

 陸 : そ、そうだよ!笑

梨紗 : よ、よそよそしいぞ!笑

 陸 : い、色々やってます!

仁美 : 私絵画でしか知らなくって、タネリに来てから初めて知りました!絵画って言っても色々ジャンルがあるじゃないですか。その中で、どんなジャンルの絵画を描かれてるんですか?

 陸 : 単純に言うと、具象。具象と抽象を分けるのはあんまり好きじゃないけど、よく「なに描いてるの?」って人に聞かれた時に具象系かなって。

仁美 : 今まで作ってる作品のテーマっていうのは?

 陸 : なんか小さい頃に、スーパーファミコンとかが出てきて、みんなそのテレビゲームに高じてた時代で。その時にテレビゲームが禁止されてて。

仁美 : お家で?

 陸 : 家が。その当時ってまだゲーム禁止とかゲームに対するあれよりも、もっと外で遊んでこいとか。あと、ゲームやったり、サッカーやったり、秘密基地つくったり、みたいなかんじで結構ざっくばらんな世代で。

でもそのゲームが禁止されてて、でもみんながゲームやってるの楽しそうだし、自分もやりたくって。それで自分で、ステージっていうかゲームの世界を勝手に妄想したり、紙とかノートの上とかに描いて。その時の俺らの世代のゲームの色彩とか、極彩っていうか、派手な色彩っていうか。そういうのが、やっぱ絵画の中に。原色を多用するっていうその時の感覚がすごい新鮮で。

自分の絵を描くルーツはそういうとこなのかなって。

仁美 : 今も攻略本とか出てるじゃないですか。たまにおんなじことしてみたりとか。

 陸 : ゲーム画像を集めたりはしてる。この構図!とか、この色彩すごいな!とか。

そういう、幼少期の感覚とか、自分の作り上げた妄想の世界みたいなのが、絵画の中に組み込まれていく。ゲームの構図とか。最初そういうのって他愛のないものだと思ってたんだけど、それが自分のルーツなんだったら、正直に出そうって。

ゲームをテーマにしてますっていうと、「え~ゲーム?」みたいな。笑 もっと美術って崇高なものをテーマにしてたりしてるんじゃないのって、生と死とか。

だけど自分のルーツがそういうものだったら正直に出そうと。それでもう正直に描き始めたからこういう世界観が出てきた。

仁美 : ちゃんと、絵を描き始めたのはいつからなんですか?

 陸 : 大学の3年生の終わり頃。

仁美 : じゃあもう結構長い間、10年くらいずっとそのテーマが変わることはなかったんですか?

 陸 : 変わることはほとんど。それしかないって思ってたから。テーマがあっても、作るのは結局自分の奥底からくるものを、テーマに合わせるっていうかんじなのね。結局は同じというか、変わらない。うん、だからその、環境適合型、、笑

仁美 : 適合型!

 陸 : 適合。なんか俺、結局なんでも良いと思ってて、正直今言ってるゲームがうんちゃらっていうの、真実なのかというかなんでも良いっていうのが根底にある。

仁美 : 一番最初に作り始めた時のきっかけはなんだったんですか?

 陸 : 立体とかインスタレーションとか映像とかもやってて、でも自分の中でしっくりこなくて、最後の最後に絵を描き始めて。ほんと恐る恐る。絵なんて才能ないと思ってて、でも絵に描いてたら先生にすごい褒められて。それが大体、大学3年の頃。

結局その時って自分がなにが面白いのとかって全くわかんないから、面白いって言われてるんだったら、じゃあ絵描いた方がいいかなって。自分に、「これがやりたい!」とかってあんまなくって。「俺は映像やってくんだ!」とか「立体やってくんだ!」とかそういうの全くなくて。

仁美 : お父さんも絵を描いてらっしゃるじゃないですか。それまでに絵を描く機会は全くなかったんですか?

 陸 : 10代のときはなかったし、ちょっと嫌いだったんだよね。反発があって。絵もやっぱそんなんで、描きたくないみたいな。嫌いみたいな。笑

仁美 : 大学は美大?

 陸 : 大学は名古屋造形大学。最初は建築で、その後、総合造形コース。

それも何でもありみたいな。何がやりたいのかわかんなくて。何かは作りたかったから。その時に絵画コースじゃなかったし、技法とかも特にわかんないから、ね。

仁美 : そこで初めて学び出したんですか?

 陸 : 自分で図書館行って、本読み出して。美術、美大のなかにいるのに、なんか独学で。笑

時間かかったけど一応、みつけられたのかな。技法とか、デッサンとか、学んでると、自分のあれはストレートには出なかったかもしれない。自分で勉強して、自分でなんか勉強も調整してたりとか。

で、じゃあ自分で勉強しようと思って、自分から学びにいくっていうか。自分で吸収して、自分で考えて、描く。

仁美 : 素晴らしい学生ですね。

 陸 : いやいやいや、全然。そう聞こえるけど、自分探しって何?みたいな、あるじゃん。一時期、自分探ししてるやつなんかクソだみたいな。俺まさにそれで、目的もなく何やったらいいんだろうってふわふわしてて、ずっと自分探しをしてて、ああこれなのかな、みたいな。

仁美 : 今まで作った中で、一番お気に入りの作品は何ですか?

 陸 : 『孤島』っていう作品。それも大学時代の絵で、大きい大海原に島がぼんっとあって、そこに女の子とか宝箱とか骸骨とか自画像っぽい自分のやつとかが、遊んでる絵があって。

小学生の時に、親に海外とか連れてってもらって、海辺とかがすごく好きで。色々連れてってもらったの、国内、海外とか。その中で自分で印象にあるのが、フェリーに乗って、フェリーの上から見た大海原、家族と見た水平線とかが、結構自分の中で映像が刻み込まれてて、それでどういった精神状態なのかわかんないけど。

その絵は水平線があって、島、孤島、ゲームのこういう島みたいなので構成されてる。その上に色々人がいて。

多分それを見た時に、少年の時の大海原を見た感覚、ビジョンと、テレビゲームとかを模写して、こういう崖みたいなの描いてた自分と、砂浜で、山とか島とかつくってた自分と、その上で小学生の時は秘密基地作ったりして遊んでたあの時の感覚が一気に圧縮されたような。自分にとってすごい正直な。

仁美 : それはいつぐらいに制作されたんですか?

 陸 : 2013年。

仁美 : それが一番、自分でも好きですか?

 陸 : 好き~。ゲームをテーマにしてはいるけど、本当にゲームだけなのかっていう自分に対する自問自答みたいな。「それでもいいのか!」みたいな。それって正直なのかなあって、絵を描いてて思ったりして。でもゲームの要素もちゃんと入ってて、ちゃんとその昔の時代のいい記憶とか一緒に上手くミックスされてて。

仁美 : その作品は今後どこかで見られたりしないですか?

 陸 : タネリスタジオのオープンの時に!今回の伊藤ちゃんに言われて、その自分が一番好きな作品ってなんなんだろうと思ったらそれが出てきたから、今自分が思ってることとその作品が近いから、過去作だけど出してみようと思って。ゲームをテーマにしてるし。ゲームをテーマにしてるっていうとちょっとサブカルをテーマにしてるみたいで嫌なんだよ、ね。でも多分そう捉えられるし、でもそれだけじゃない、幼少期の。一応テーマとしているゲームの世界観も、ちゃんと入ってるから、久しぶりにちょっと引っ張り出してこようかなって。今自分でもそうすごい自問自答してる。

仁美 : じゃあオープンの時に見られる!

梨紗 : 設楽陸ファンは必見の!

仁美 : ゲームだけじゃなくって、自分の記憶とかミックスされたものはこの作品以外にはあんまりないですか?

 陸 : ある、けど、難しい。

仁美 : 『孤島』ができた時は、なんで出来たんでしょうね?

 陸 : 良い絵を描こうと思えば思うほど、力んじゃうし、テーマ性とか大事にしなきゃとか思っちゃうし、奇抜なものを描かなきゃいけないんじゃないかとか。

仁美 : その時は自由に描いたんですか?

 陸 : それはけっこう、ある日できた、みたいな。自分のテーマと関係なしに、こう自由に描いていいじゃんとか思うと自分の正直な部分から逆に離れてったりして。で、その時の精神状態もあるし。あと、やっぱ1年とか置いてみて、振り返って作品見てみると、あの時はいいと思ったけど、やっぱよくない、とか。逆にこれいいなみたいな。で、多分今気に入ってるのももしかしたら、何年後、また変わってるかもしれない。

仁美 : 自分の中で完成っていう瞬間は結構かかりますか?時間が。

 陸 : 半年かかったり一週間で終わったりばらばら。

仁美 : 私は陸さんのが、結構書き込んでる印象があるんですけど、単純に時間がかかりそうっていうのはある。

 陸 : ああもう、見せかけ!

仁美 : 見せかけ?

 陸 : 書き込んでるけど、書き込むことにそこまで意味は見いだせてないないんだけど、単純に自分で自然な要素がいっぱい、ポンポンって。本当は、シュッって線一本でやったような。

仁美 : 抽象的な感じ?

 陸 : が、いいんだけど~、無理!俺は無理だ、って。

なんか絵を描きたい!っていう。やっぱり、描きたい!っていう思いが。単純に画面の面白さとか、絵の面白さとか、ユニークさとか、賑やかさとかヘンテコさとか、出鱈目感とかそういうのがやっぱ好き。

色んな要素があったほうが面白い、と思って。一枚の絵から色んな引き出しのある絵の方が、単純に見る人が面白いんだろうと思う。なんかそういう絵の方が好き!だからなるべく一枚の絵に長く止まってくれるような。

仁美 : 最後に、陸さんの次の作品が見られる機会は、いつなんでしょうか?!

 陸 : とりあえず、このタネリのオープン!一太郎さんと一緒に。二人展を。

仁美 : 新作も出すんですか?

 陸 : 新作も。ドローイング、色鉛筆の絵、ペインティングを出そうかな。バランスよく。

仁美 : 結構何点かあるんですな、じゃあ。発行は1日ですけど。で、展示は2日までだけど。きてください!

仁美 : この辺で行きつけのお店とかできましたか?

 陸 : すぐ目と鼻の先の、「金福」!

仁美 : お隣さんですね。お世話になっております。

 陸 : あと、「具志堅」!居酒屋さん、牡蠣鍋が美味しいです。

あと、「Vousho」!サブカル系の怪しい、オタクの店とかじゃなくて、画集とかちょっとアート系の。

仁美 : 珈琲屋さん。

 陸 : 岩屋堂公園とかもいいしね。久米亭っていうカフェも。

岩屋堂と久米亭は、デートコースにいいです。久米亭は、古民家を改装した、外の綺麗な庭を見ながら、テーブルが並んでて。ウォーキングした最後の所にジブリみたいな小さい滝があるんだけど、14~15時くらいに行くと虹がかかってる。

ちょっと隠れてるから、急に出てくると感動する。そこが。そこがいいんですよ。

仁美 : 商店街も雰囲気いいですよね。

 陸 : うん。一応都心まで近いしね。

仁美 : 一本で栄に!

 陸 : 長者町トランジットビル(AAT事務局所在地)にもね、全然電車一本で行ける。

トランジットまで電車で一本!(キラッ)

仁美 : いっぽ~ん!なので、タネリスタジオに遊びにきてね~!ありがとうございました~

 

 

 

撮影 : 山田梨紗

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