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細井章世 さつき 写真展 @ cafe DODO「ーp.58ー」interview review

細井章世 さつき 写真展 「ーp.58ー」

ゴジュウハチページ

a photographic memory:鮮明な記憶

平成31年2月15日(金)~27日(木)cafe DODO

 

 

「細井章世」【interview】2019年2月17日(日)

▲今回の展示「-p.58-」のご紹介をお願いします。

最初はDMで配るために栞をつくりたかったんです。

その話を「さつき」さんに持ちかけたところ、

展示の内容をそのままモチーフに合わせていくことを提案してもらい今回の二人展になりました。

-p.58-ですが、ちょっと私たちらしくないんです。

平成31年。平成最後の年を1月1日から4月末日まで120日を120ページとして配分しました。

そうすると展示開催の最終日は2月27日58ページ目なんですよ。

ちょうど去年もcafe DODOで開催させて頂いたのですが、

展示の仕方であったり写真や作品のつくり方も、ちょっとした違いではありますが、

やはり変わってはきています。

これからもずっと変わっていってしまうのだろうな、と思っています。

現在のことを写し止めていく意味を私たちなりに考えながら作品にしました。

▲細井さんの「アイボリー」というタイトルは何から発想しましたか?

現在、曖昧なことが多く、私の性格上もそうなのですが、

それも受け止めて現在の正義として堂々と歩けるように、写真作品として残したという感じです。

▲曖昧さはどこでどのように感じますか?

生活です。

日常的にいろいろと気が小さいのでハッキリすることを怖れて暮らしていることが多く、いろいろモヤモヤしていることもあります。

その曖昧さに踏み入られないように白や黒のふりをすることもあって、

自分の性格としてのコンプレックスでもありますが、これからも携えていくことにはなると思います。

▲展示会を開催することで心境の変化などはありますか?

あります。展示に観に来てくださる方がいると、やはり気持ちが外向になって明るくなります。

作品に現して消化していくということが私の作品の制作スタイルなので、

つくっているときは落ち込んでいるのですが、展示中は気分としては明るいので観て頂けてありがたい限りです。

作って表に出すことが自分の気持ちの整理みたいな感じはあります。

まだ作り始めでたくさん展示できるものがないのですが、自分がその一連の流れを生活の一部にしていることに気づきました。

▲ありがとうございました。

Cafa DODO
http://www.dodo-sakae.com/
(名古屋市中区栄5-18-17コーワビル3階) 

 

【review】

前回とは異なる陰影の感じなど幾つか気になったのでお話を伺いました。

生活から地続きで活動されているせいか眺めて気持ちが和みました。

以前よりコントラストや構図や雰囲気などに深みや温かみが増している感触があり魅力を感じました

モデルや状況は思案されているものの押しつけがましさはなく、

すう、と

自然な感触で違和感なく気持ちの内側に入ってくるような印象を受けました。

ポップな写真では多くの場合は表面上だけ写ってしまうという急所がありますが、

あえて過剰にしていない部分や

人工性から離れている部分など、ちょうどよくて適切な「間のようなもの」を感じました。

日々の暮らしでハッキリとしない区域や分域などでグレーゾーンが存在し、

それ自体にさえ

良いのか悪いのか判断のしようもない曖昧さは風潮としてあります。

特に白、黒と二極化はしなくても、

現在の自分の折り合いのつく場所を意識的にも無意識的にも、その都度、

落とし込み選んでいるような気もします。

日常であれこれと複雑に考えてしまったり煩雑に思ってしまう事柄が多々あります。

ですが安易にではなく、

相手にも自分自身にも伝えたいことをできればもっと明確に認識して提示していきたい、と

お話を伺ったことや後日思い返すことでそう感じました。

二人展で、片方の壁ずつを使った展示でしたが、空間としての個性としての差異があったのも印象的でした。

 

/// prof ///

「細井章世」

1994年生まれ、愛知県出身。

影が隠し持つ光の表情にそそのかされて、

ついうっかり写真を撮ってしまいます。

日記は続かないし、手紙は照れ臭いので。

Instagram @leopnoir
twitter @leopnoir 

******************

 

「さつき」

モチーフは「クロノスタシス」です。

時計の針が止まって見える現象で、

秒針の動きが示す最初の1秒間が、次にくる1秒間よりも長く見える感覚です。

撮影した後の続きが気になる写真を撮りたい、

そんな気持ちで撮影しました。

私にとって撮影中の1秒間はとても長く、永遠に続いてほしい時間でした。

その時間を観に来てくれた方々と共有できて

「この後が気になってしまう時間経過」を写真から感じてほしいと思いながら、

展示準備や展示会期間中を過ごしました。

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さつき

愛知出身。

今年も獣と共に仕事をしてる24歳。

風が吹く瞬間に出会えたらいいな。

と写真を撮ってます。

Instagram @sol_fa_

twitter @ko_tetu

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【次回案内】

「40one’s2019」

gallery40(名古屋金山)  http://plus-40.jp/

3/21(木祝)~24(日)

13:00~20:00

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堅田 残光

堅田 残光

造文作家。 起源は滋賀県堅田町。東/南スラヴとの混血。 獅子座。O型。白痴派。ムダにもち肌。 ご執筆などのご依頼はこちらまでお願いいたします! → cotenpa@gmail.com
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