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橋本薫・MANAMI ARIGA 二人展「さわられなれてる」 感想レポート

橋本さん、ARIGAさんの二人展に行ってきましたが、会期が短いため大急ぎで簡単に報告します。

会場の市政資料館は装飾的な建物ですが、今回の展覧会では映像作品が含まれるため、カーテンを閉めての展示です。

やや照明が落とされた会場ですが、その分展示に集中できるような気がします。

二人展ではありますがどの作品がどちらのものかは判別しづらい位に、今回の展示は会場に一体感が生まれています。パイプ椅子の組み合わせが点在していますが、それ以外のおにぎりやぬいぐるみといったものが家庭的な愛情を感じさせる要素として、それぞれをゆるく結びつけているようです。

そうした家庭的な温かさを醸すはずのものたちが、今展では見事に裏切られます。

 

いや、裏切られた記憶がこれらの作品を生み出しているのかもしれません。

また「愛情」というのは必ずしも相手にとってありがたいものとも限らないのも、展示からにじみ出ています。

人は時として束縛することを愛情と勘違いしているのかもしれません。

 

ぬいぐるみによる人形劇は、ほのぼのした始まりから凄絶な展開をみせます。

会場の作品いずれもが同じような火種を抱えているように思えました。

 

障られることに、人は慣れることがあるのでしょうか?

 

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◎展示情報
【展覧会名】 橋本薫・MANAMI ARIGA 二人展「さわられなれてる」

【会場】 名古屋市政資料館 第5展示室
【開催日時】 2023年3月25日(土)~31日(金) 11:00-17:00(最終日は15:00まで) 月休

 

 

 

 

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海牛目(かいぎゅうもく)  ただの美術愛好家  放し飼いと家畜の狭間にtwitterを回遊  展示周りも基本狭間のみ 作り手でもなくコレクターでもなく、自他ともに認める「観るだけの人」 体力の無さには自信あり
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