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植松ゆりか個展「Cover the skin」 感想レポート

 

植松ゆりかさんの個展に潜入(?)してきたので報告します。

会場は「Golden child cafe」というおシャレなカフェです。お客さんは98%若い女性で自分のようにおっさんの一人客は皆無でした。(アウェー感半端なかったです。)
お店の壁に作品が点在していて、特に展示スペースが設けられているわけではありません。
その点では鑑賞に適しているとは言い難いのですが、自分の怠慢から植松さんの作品をまとまってみる機会がなかなか無かったので、これはどうしても行かねば!と相成ったわけです。

さて、作品は近年展示・発表している陶の作品ではなく、「series of soft toys」と題されたぬいぐるみを用いたシリーズ作品が中心です。

中でも今回目を惹いたのは、ぬいぐるみを裏返して再度縫い合わせたらしき白っぽい外観の立体作品です。

作品に用いられているぬいぐるみは全て動物です。タイトルを見ればはっきりしますが、見なくとも元の動物の外形を残してはいます。
しかし、ぬいぐるみのふわふわ感はなく、縫い目が飛び出している様がなんとも痛々しい感じです。

とはいえ、その立体は金ピカの輪っかを背にしょっています。
作品によっては放射状に棒が配されて、後光がさしているようです。

ぬいぐるみに与えられた偽の外観「可愛らしさ」を捨て、内をさらけ出した先に聖性が現れるのでしょうか?

ぬいぐるみの裏を見せる作品はこれまでもありましたが、この金の輪の登場によってまた異なる相をあらわしたように思います。

お店のケーキは甘くて大変おいしかったのですが、展示は痛みと奇妙な後味を残すものでした。
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◎展示情報

【展覧会名】
植松ゆりか個展「Cover the skin」

【会場】
Golden child cafe
名古屋市 中区 千代田 4-26-1 (JR高架下)

【開催日時】
7/1(月)〜8/31(土) (OPEN 11:00 / CLOSE 26:30)
8/21(水)定休

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海牛目

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海牛目(かいぎゅうもく)  ただの美術愛好家  放し飼いと家畜の狭間にtwitterを回遊  展示周りも基本狭間のみ 作り手でもなくコレクターでもなく、自他ともに認める「観るだけの人」 体力の無さには自信あり
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