2023年7月8日(土)-8月13日(日)
9:00-18:00(休廊日:水)
アーティストトーク7月8日(土)18:00-
ゲスト:三科琢美・今泉岳大(岡崎市美術博物館 学芸員)
(参加無料・予約不要)
1996年に公開された岩井俊二監督の映画「PiCNiC」では3人の若者が精神病院を抜け出し、壁を伝って旅に出かける。壁の上という不安定な道を進みながら、彼らのちょっとしたお出かけは、世界の果てに向かって徐々に混沌としてゆく。
三科琢美は鉛筆やペンを用いて紙に線やかたち、文字を重ねてゆく。不穏な音とともに迫ってくるような塊。次々に増殖し、支持体を越境し、ときおり具象的なものに姿を変え、絶え間なく変形を続けてゆく。それは、風邪をひいたときに見る夢のような混沌-何かが大きくなったり小さなくなった、また近くなったり遠くなったりを繰り返すようなイメージ-を思い起こさせる。人間は動物であるという点で本来的に狂気や混沌を内在している。三科の作品は人間が抑圧している動物としての生々しい生として提示される。一方で所々細部に見出せる人型や顔のようなかたちは、混沌の中にも秩序を見出そうとする抗いが伺える。三科の作品は私たちにとって、現代社会の偏りを整えるリハビリテーションのようである。紙とペンで描かれる三科のちょっとしたドローイングは、世界の果てに向かって増幅してゆく。
【展覧会名】
PiCNiC vol.2「Takumi MISHINA」
【開催日時】
2023-07-08 〜 2023-08-13
9:00-18:00
休館日:水曜日
【ジャンル】
【会場】
8 EIGHT ART HOUSE
愛知県安城市末広町8-4DENCITY 1F
【Webサイト】
【料金】
入場無料
【詳細】
三科琢美
鉛筆やペンを用いて線やかたちを重ね、紙を破る、つなげる、固めるなどの行為を加えながら描くことを続けている。
略歴
1981 愛知県生まれ
2006 金沢美術工芸大学美術工芸学部油画専攻 卒業
2008 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース修士前期課程 修了
2011 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科博士後期課程 満期退学
主な展示
2010 「生成の場」(金沢美術工芸大学大学院棟2F展示室/金沢)
2017 「描くことの手触り」(愛知芸術文化センターアートスペースX/名古屋)
2018 「生成のリズム」(のこぎり二/一宮)
「不定形への憧れ」(K.Art Studio/名古屋)
2022 「線の洞窟」(自宅アパートの一室/名古屋)
グループ展など
2015 「アール・ブリュット・ユートピアの創造主たち」(大津プリンスホテル/滋賀)
2017 「日本のアール・ブリュット『KOMOREBI』展」(フランス国立現代芸術センターリューユニック/フランス
2018 「3331Art FAIR2018」(アーツ千代田3331/東京)
2019 「お寺deアートvol.8『人間という宇宙〜人間という一つの生命体の不思議な存在〜』」(真宗大谷派御堂山顯正寺/豊田)
2020 「第4回山梨合同企画展『呼吸するように生まれたものたちPART3〜進化する頭脳・スーパーコンピューター展』」
(韮崎市民交流センターNICORI-ニコリ-地下1階アートギャラリー1・2/山梨)
2022 「信濃の国 原始感覚美術祭2022-水のことぶれ」(淺井真至アトリエ地下/長野)
【お問い合わせ先】
水野
mizuno@eightdesign.jp