173

阿曽藍人 展『土のなごり』

10/22(土)〜11/6(日)

 一昨年、美濃加茂の地に移り住み「作品に対する集中度と、制作の楽しさが格段に上がりました」と話す。阿曽の作品は一般的な焼き物より焼成温度が低い。1000℃を超えると硬質になるが敢えてそれを選ばないのは、土と焼き物の間の生っぽさを遺すため。焼く前の土が持っている、焼かれた土が持っている両の感触。まだ息をしており湿気さえ含んでいるような「土のなごり」を。

 それは野焼きの必然にもつながる。電気窯で制作していたものの、どこか違和感があった。焼き物で作品を作る意義が今ひとつ見出せなかった。しかし野焼きを体験した時、煙、匂い、音、色、温度…土が火で焼かれて変化していく状態、土が焼き物になっていくということが初めて肌で感じられた。頭では理解していたつもりの焼き物の過程が、鮮明に身体に流れ込んできたのだ。自分でものを作り出す感覚、最初から最後までフィジカルに関わるこのプリミティブな制作方法がしっくりときた。

 閉じた形の中の空気を逃しながら作る、それは空間を造形するともいえるか。生まれたフォルムが次なる行為を誘発する。具体的に何かを盛らずとも受け入れる形。無機ではなく息衝きをやめない有機的な存在感を放ち。虚の手触りを頼りに、今日も阿曽藍人は土とやりとりを続ける。

■阿曽 藍人(あそ らんど)
1983年奈良県生まれ、美濃加茂市在住。
2009年、金沢美術工芸大学大学院修士課程美術工芸研究科陶磁コース修了。2010年常滑市立陶芸研究所修了。
器および、土の素材感を見せる造形的な作品、インスタレーションも手がける。
ノリタケの森ギャラリー(名古屋)ほか「現代美術レジデンスプログラム 阿曽藍人 Inner Land 内なる大地へ(美濃加茂市民ミュージアム)」などで個展。
および、「愛知ノート ―土・陶・風土・記憶―(愛知県陶磁美術館)」「日中韓現代陶芸―新世代の交感展(韓国工芸文化振興院/ ソウル)」などのグループ展や「BIWAKO ビエンナーレ2010」「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」といったの芸術祭にも数多く参加している。

作品/「trace of light」2022 陶、膠、蜜蝋 102×34cm

【展覧会名】

阿曽藍人 展『土のなごり』

Aso Rando Exhibition

【開催日時】

2022-10-222022-11-06
13:00 − 20:00
休館日:会期中無休

【ジャンル】

平面その他, 彫刻・立体, 陶芸

【会場】

L gallery


L gallery
名古屋市名東区本郷 1-43The Apartment LiF F-1

エリア:名古屋市内

名古屋市名東区本郷 1-43

【Webサイト】

http://l-gallery.jp/

【料金】

入場無料

【詳細】

■アクセス
地下鉄東山線本郷駅下車、2番出口(北方面バスターミナル側)より徒歩7分。
エントランスの呼出しボタンF-1を押してお知らせください。
お車でお越しの方は、建物南側の駐車スペース N にお停めください。

■L galleryのコロナウイルス感染症対策について
● ご来廊の際はマスクの着用をお願いいたします。
● ソーシャルディスタンスを保って、ご鑑賞ください。
● 手洗い、アルコール消毒にご協力ください。
● こまめな換気を心がけております。
● 定期的にテーブル、ペン、ドアノブなどを消毒をしております。

【お問い合わせ先】

L gallery

052-774-5599



{cf startdate=2022-10-22}
{cf enddate=2022-11-06}
{cf map=名古屋市名東区本郷 1-43}
{cf place=L gallery}

aso-1.jpg
Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です