物理的な関心を持つ作家は、はかりや時計などの数字をつかさどる道具を用い、意図的にずらすなどして通常と異なる値を表示させます。するとモチーフは重力や質量、時間を示す数値から解かれ、現実に浮遊する不可思議な存在となります。固定概念から放たれるような機知に富むいくつもの試みが集合する時、現実と背中合わせの仮想の世界が築かれます。
作家はまた、初期から自分自身の体と同等の質量を空気や水に置き換える試みを続けています。今回の滞在制作では、ミュージアムを囲む森で自分の質量を探して、その変換を行います。
私たちにとって質量・重力・時間は、概念として認識していながらも、実感としてつかみきれない存在でもあります。竹田尚史はそれらを、自分の身体を通じて表わそうと試みます。作家が創りだしたフィクションとノンフィクションが混在する空間に身を置く時、この世界を自分自身の感性でどう把握して生きていくのか、思いを巡らせるきっかけとなれば幸いです。
【展覧会名】
Takeda Hisashi Fountain of mass and mist of gravity
【開催日時】
2019-09-21 〜 2019-10-27
9:00~17:00
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館し、直後の平日休館)
【ジャンル】
【会場】
Minokamo City Museum
岐阜県美濃加茂市蜂屋町上蜂屋3299-1
【Webサイト】
【料金】
入場無料
【詳細】
◆竹田尚史 アーティストトーク
日 時:9月21日(土)14:00~15:00
会 場:美濃加茂市民ミュージアム 企画展示室・美術工芸展示室
参加料:無料
【お問い合わせ先】
展覧会担当:和歌
museum@forest.minokamo.gifu.jp
0574-28-1110