蚤の市の語源は諸説ある。フランス語で「marche aux pecus」という蚤の市は、フランス語 〝pecus〟 が 〝蚤〟〝暗褐色〟という意味を持ち、暗褐色の古い家具や骨董品を売り買いする市場だから。蚤が宿主を移り回るように、品物が人から人へ渡されるから。蚤がわくほど古い物が売られていたから。とさまざまだが、今回は、蚤のようにわいて溢れるくらい細かな品が売られているから、の言説を信じたい。
とある日、作家がひと言「蚤の市」と口にした。なにかと問うと、展覧会のテーマだという。蚤の市のように賑やかに、小さいものを並べたいのだと。「それは楽しいですね!」と笑顔で頷きあう。頭の中に浮かべた情景に胸を躍らせた。後日、訪れたアトリエ、「例えば」といって台の上に並んだ景色を実際、目にして思わず頬が緩んだ。
土が残った時に、なんの気なくつくるのが日課だという。大きなものは構えるが、小さいものは構えずつくれるからいいんだよ、とも。肩の力が抜け切る、それは制作のリズムを司る大切な休符、息継ぎなのだろうか。
なにと訊かれても、なにともいいようがない。拾った石を台座に据える。手の中で自由に形づくる。なんでもないものができ、なんでもないものに美が宿り、なんでもないものに生が見える。純粋に「つくること」の歓びに溢れ、それぞれがうれしく声をあげる。
旧いものから新しいものまで小品を中心に、お札立てやお屠蘇をいただく徳利、盃など、迎春のしつらえに相応しい作品も並びます。愛らしくも、伊藤慶二のエッセンスが凝縮した小さきものたちに、ぜひ会いにいらしてください。
【展覧会名】
伊藤 慶二 展「小さきものたち」
Ito Keiji Exhibition
【開催日時】
2018-12-15 〜 2019-01-03
13:00 − 20:00
休館日:会期中無休(正月三が日も開廊しております)
【ジャンル】
【会場】
L gallery
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名古屋市名東区本郷 1-43The Apartment LiF F-1
エリア:名古屋市内
名古屋市名東区本郷 1-43
【Webサイト】
【料金】
入場無料
【詳細】
作家在廊日:12/15(土)、1/3(木)
【お問い合わせ先】
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052-774-5599