中山梨絵は陶と油彩画とを連関させながらイメージを生成してゆく。絵画に描かれるモチーフには二つの源泉がある。ひとつは写真に撮った風景を陶画に起こしたもので、あえて焼成後の色彩が予測しにくいよう調合した釉薬を使用する。もうひとつは自動記述的に描いた線画を液晶タブレットで再度描画したドローイングで、人とも動物ともつかない精神的な存在が多い。不安定な釉薬や無意識に生じる生き物など、ひとつのモチーフが出来上がるまでにコントロールの困難な異物がいくつも介在しており、作家が自らに内在する観念を引き剥がそうとしていることがわかる。しかしひとたびは飛び去るままにゆだねたイメージを、中山はただコラージュするだけではなく、絵画というメディウムに統合する。画面にうかびあがる筆触は、すなわち小舟を繋いだともづなの緊張である。夢とも現ともつかず、水と岸とのあいだで現れては消える。 (美術批評 安井海洋)
【展覧会名】
中山梨絵個展「釉体離脱」
NAKAYAMARie solo exhibition「YUTAIRIDATSU」
【開催日時】
2025-07-21 〜 2025-08-07
12:00~19:00
休館日:月曜・火曜休廊 ※祝日の場合は開廊、翌平日休廊
【ジャンル】
【会場】
愛知県立芸術大学サテライトギャラリーSA・KURA
AUA Satellite gallery SA-KURA
愛知県名古屋市東区東桜1-9-19成田栄ビル地下1階
エリア:名古屋市内
愛知県名古屋市東区東桜1-9-19
【Webサイト】
【料金】
入場無料
【詳細】
【お問い合わせ先】

