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長田沙央梨 個展 「humming」  レポート

長田沙央梨さんの個展に行ってきましたので、簡単にレポートします。

会場の「名古屋クロイゾンスクエア」とは聞きなれない名前ですが、
松坂屋南館向かい側の、GAPがどーんと店を構えている横(北側)にこそっと入口があります。

小道を奥に進んでゆくと少しひらけた空間に出ます。
大津通り側(GAPと背中合わせになるでしょうか)には安藤七宝店の店舗があり、
間に中庭をはさんで店の秘蔵品の展示室(外から見ると立派な蔵です)に併設されて展示会場がありました。

こちらの展示室は中庭に向かってガラス張りになっており、自然光がふんだんに入る明るい空間です。

長田沙央梨さんは、以前アートラボあいちのsky overⅣでの展示を観ており、平面を組み合わせて構成された立体が印象的でした。

今回の展示作品は、陶によるものが中心のようです。

「ふしぎなしょくぶつ」と題されたいくつかの作品は、木の板に陶を貼りつけたレリーフのようになっています。
他には鳥(ハト?)と多肉植物(?)を組み合わせた立体作品も見られます。

展示構成は、中央に展示室を斜めに仕切るように壁側から格子状の衝立が出ており、その表と裏にレリーフ作品と立体作品が配されています。

また、部屋の入口と奥には大き目のレリーフを自立させた作品が置かれています。

レリーフは厚めの板を用いているため、ほぼ平面作品のように感じられます。
植物のみが陶で作られているため、木を地にした陶のドローイングともいえるかもしれません。、

種類の異なる「ふしぎなしょくぶつ」達は、枝を広げていたり枝から葉を伸ばしていたりそれぞれ独特の形をみせていますが、枝の広がり方であったり葉のつき方にリズムが感じられます。

枝や葉の線は陶で作られているため、滑らかでなく多少ぐにぐにしており、どことなくユーモラスに感じられます。

子供が描いたような素朴な形でありながら、植物っぽく見えるのが不思議ではあります。

長田さんの話を聞くまでは実際の植物を見ながら描いたものと思っていましたが、これらの「しょくぶつ」は全て作家の想像によるものだそうです。

勘違いの言い訳になってしまいますが、これらの形がどこかしら実際の植物を思わせる「本質的な形」を抑えているためではないか?そんな風に思ってしまいます。
それは枝や葉の付き方に見られる、自然の規則性のようなものかもしれません。

(話を大きくしすぎるのは、恥の上塗りにしかならないのでこれくらいに留めておくことにします。)

 

ハトのような鳥と多肉っぽい植物は立体作品になっており、木の台の上に配置されています。

この木の台も、レリーフの地である板もまるっこい形にされています。これは、自立しているレリーフ作品を下で支える「自然石」の形から来ているそうです。

立っている作品は結構大きなものなので、板の厚みもそこそこあります。板は自然石に掘られた溝にしっかりと嵌められています。
考えてみるとこの溝を作るだけでもかなりの労力が必要となりそうです。

立体作品が乗った台の板も、格子としっかり嵌め合わさっています。

 

展示全体は明るくなごやかでゆるい空気を醸し出していますが、それはこのような細かい部分にまで神経を配って始めて現わすことができるのかもしれません。

 

展示室を後にし中庭を抜けて大津通りの喧騒に戻ると、なにか浦島太郎のような気分になりました。
(そういえばあの「しょくぶつ」は、海の生物にも似ているような…)

 

 

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◎展示情報

【展覧会名】
長田沙央梨展 「///humming///」

【開催日時】
2017.7.8(土)―7.30(日) 10:00―17:00 (月曜休)

【会場】
名古屋クロイゾンスクエア 安藤七宝店1階ラウンジ
(名古屋市中区栄3-27-17)

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海牛目(かいぎゅうもく) ただの美術愛好家  社畜と家畜の狭間にtwitterを回遊  展示周りも基本狭間のみ 作り手でもなくコレクターでもなく、自他ともに認める「観るだけの人」 体力の無さには自信あり
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