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水谷ソーマ個展 レポート

ドイツに在住する作家の久々の日本での展示ということで簡単にレポートします。
展示は波止場と、同じビル内のパルルに分かれています。

まず波止場の方は、iphoneにつながれたヘッドホンから音声が流れています。
タイトルから麻雀をしている時の様子らしいことがわかります。

正面の壁には解きかけの数独パズルが額に入れられています。

壁の下の方には、いくつかの言葉が投影されています。

短い文が切り替わって表示されてゆきますが、それぞれにつながりはなさそうです。
日本語なのですが、英語を機械翻訳させた時のような不自然さを感じるものもあります。

最初の二つがゲームであるせいか、こちらも展示を観ながら謎解きゲームに参加しているような気になってきます。
とはいえ、この三点では答えらしきものも浮かばないため、パルルに移動します。

パルルの入り口のドアを開けるときには、ますます「リアル謎解きゲーム」の感が強まります。

パルルの展示は、文字が書かれた紙が壁に貼られた作品が最初に目に入ります。

紙にはアルファベットで人(日本人名ですが)の名前とともに、縦、横のサイズと「youtube」の文字、それを再生した(であろう)表示装置名も書かれています。

記されたサイズは、展示されている紙の大きさとは随分違うので、再生時の大きさだろうと思われます。

別の壁には、サラダの静止画が投影されています。この作品だけが、カラフルで異彩を放っています。

最後はまた額装された数独パズルで締めくくられます。

手がかりは展示された作品以外に、波止場に置かれた秋庭史典さんの文章があります。

とはいえ「謎解き」に行き詰まった自分は今一度展示に立ち返ってみます。

さて、そもそもこれは美術の展示であり、「謎解き」とは異なるモノでしょう。

しかし観客を「謎解き」に走らせる要素をふんだんに備えているのも確かです。
展示は観客の頭の中に多くの疑問を浮かばせますが、その答えに正解はないように思います。
それが「美術」と「謎解きゲーム」の違いでもあるでしょう。

自分は今回の展示は「ルール」あるいは「規則」にまつわるものであるように受け取りました。
それは数独や麻雀のように確立され共有されているものもあれば、ディスプレイ上のサイズを記録するように独自のモノもあります。
言葉は記号の組み合わせですが、それがコミュニケーションの道具として成り立つのも、決められたルールに従っているからでしょう。

もちろん、展示は開かれた問いです。答えは観る人の数だけあるでしょう。

この謎が気になった方には、是非とも波止場とパルルに足を運ぶことをお勧めします。

「事件は現場で起きている」のですから。

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◎展示情報

【展覧会名】
水谷ソーマ 展

【会場】
波止場+パルル

名古屋市中区新栄2-2-19
新栄グリーンハイツ101

【開催日時】

9/8(土)~9/30(日) 12:00-18:00

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海牛目

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海牛目(かいぎゅうもく) ただの美術愛好家  社畜と家畜の狭間にtwitterを回遊  展示周りも基本狭間のみ 作り手でもなくコレクターでもなく、自他ともに認める「観るだけの人」 体力の無さには自信あり
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