柄澤健介さんの個展にお邪魔してきたので報告します。
と言いながら、本展は
「終了した企画展の作品の一部が次に開催される企画展へ受け継がれ、空間の中で融合する、『余韻の循環』」というもので、会場には柄澤さんの作品に混じって、倉知比沙支さん、植村宏木さんの作品が点在しています。
殆ど主役は柄澤さんの作品ではあるのですが、個展とも言い難い空間が出現しています。
Lights galleryさんはその名の通り、照明が落とされた会場に外から差し込む光が印象的な空間になっています。
今回の展示では一階の床に大きな作品が伸び広がって、彫り込まれた木肌の凹凸の落とす影が、作品の存在感を高めているようでした。
聞けばこの作品は結構以前に制作されたもので、今回の展示に合わせて選ばれたもののようです。
一方で壁に挟まれた空間には、立ち上がり流れ落ちるような作品が置かれたり、吹き抜けの高い壁の見上げるような位置に蝋の荒々しい肌を見せる作品が置かれたりと、正に空間全体を作品化する「インスタレーション」展示が出現していました。
作品の置かれる位置によってこちらの視点が変わり、さらに作品に刻まれた深さによって、空間が伸び縮み・上下するような感覚を引き出しているようでした。
一階が暗闇の空間としたら二階は自然光の空間です。
こちらでは窓から射しこむ光で、ギザギザに削られた蝋が柔らかな輝きを見せていたのが印象的でした。
柄澤さんの作品の木と蝋の反射に対し、植村さんのガラスの持つ光が空間をさらに多彩なものにしていたように思います。
オシャレな会場を一歩出ると円頓寺の商店街にいきなり舞い戻り、ここでまた視点が揺さぶられたように感じました。
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◎展示情報
【展示名】
柄澤健介個展「視点の深度」
【会場】
Lights gallery
〒451-0042
名古屋市西区那古野1丁目11-4
【開催日時】
2022年6月17,18,24,25日,7月1,2日(三日前までに事前予約)
12:00 – 18:00