AAT浅井雅弘です。
maison shintenchi(メゾン シンテンチ)にて28日より開催されている
前畑 裕司さんの個展「JAPANESE PAINTING? JAPANESE PAINTING?」に行ってきました。
昨年florist galleryNで開催されていた個展タイトルは「ジャパニーズペインティング?」でした。
今回は英語表記で 「JAPANESE PAINTING? JAPANESE PAINTING?」。繰り返されているところに何かを感じます。
展覧会名からも明らかなように、作者の興味は日本画とは、あるいは日本の絵とは何であるのかを問うことにあるようです。
会場には”日本らしさ”を表すような城や生花や漫画などをモチーフにした絵画が並びます。
個人的に作者の前畑とは高校の同期という事もあり、それなりに長い付き合い。
元々、器用な人でしてデッサンなど卒無くこなしている所を横目で見ていました。
ヒョイヒョイと大学に合格し、日本画を学び、某in展に出て。
なんだか順調だなと思ったり、なかなかに難儀な世界だなとも思ったり。
そんな彼も日本画の世界だけでなく、広く美術として作品を作る中で、
気になったモチーフをそのままに描くという、
改めて言葉にすると何でもない手法で作品を作ってきている。(でも卒なく出来る人じゃないと出来ない)
けれど微妙なムラのある卒無さは薄っぺらさとして見えてくる事もある。
でも薄い絵だからこそ、このポストカードの姫路城をただ複写しただけの絵画が異様に感じるのかもしれない。
ペラペラのイメージをペラペラに卒なく描いたものは、果たして絵画なんだろうか。
でも、僕はそれは嫌いじゃない。
絵としての良さではなく、内容と物質とで成り立っている事に
シンパシーを感じているんだと思う。
それに対して、今回の新作のティッシュペーパーをモチーフにした作品「TISSUE PAPER(sakura)」は絵画として描かれているように見える。意図的なデザインのトリミングがなされているし、文字の部分だけ日本画らしく粗い顔料で光って見える使い方がされている。
この作品だけ絵画的な要素が盛り込まれているように感じた。
これが、この展覧会にとって良いのか悪いのか、判断はつかなかったが
何か別の疑問符が付け足されたようにも思える。
最後にティッシュペーパー作品のパネルの比率が気になったいたのだが、
聞いてみたら 某in展用のサイズ比のパネルが転がっていて、ちょうど良い感じにハマったからだそう。
(某in展では縦構図用だそうだが、今回は横で使っている)
逃れられないのか、更に利用しているのか微妙だが、構造としては面白い。
いずれにせよ、直に作品を見てほしい。
2/5まで。1/30月はお休み。
※2/9まで延長開催されるそうです。
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● 前畑 裕司個展 / JAPANESE PAINTING? JAPANESE PAINTING?
【会場】maison shintenchi (名古屋市中区大須3-4-18)
【開催日時】2017.1/28 sat 〜 2/5 sun
13:00-19:00
定休日:1/30(月)