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伊藤歌奈子個展 「あなたの不在について  わたしの不在について」 レポート

すでに始まって半分以上がすぎ、残りほぼ一週間ではありますが、
どうしても取り上げたい作家さんなのでレポートします。

前回の個展からは5年以上たっているでしょうか。
続けて発表していた画廊が閉廊してからなかなか個展の噂もきかず、
個人的に非常に気になっていた作家さんです。

アートラボあいちやmotion展では非常に大きな作品が主体でしたが、
今展では中位から小品が並んでいます。

以前と同様に、気配であったり、動き、流れといった「目に見えないもの」が描かれている作品が主体ではあるのですが、
「bed」と題された作品はかなり具体的なベッドの図像がみて取れます。

キャプションに制作年がなかったため新作・近作かははっきりしませんが、
以前よりも薄塗になっている感じです。

その分ストロークが画面の構成要素としての比重を増している感じがします。

自分がこの作家さんの作品に惹かれるのは、画面が産み出す光のためです。
非常に暗い空間のそこここを舞う白が、画面の奥から自ら光を発しています。

光を主題にすえる作家は多いですが、多くは「光を描い」ており、画面から光がさしてくることはまれです。
そんな稀有な作家が伊藤歌奈子さんです。

今回は明るい背景にささっと線が引かれた作品に不思議な空間が生まれており、
暗めの作品に加え絵画の醍醐味を堪能させてくれます。

25日(金)には作家イベントとして、
「絵の前で唄う、絵の前で語る」と題して、タナ・カミオさんの唄と伊藤さんの「不在」や絵についてのトークが行われるそうです。

しかし自分としては、伊藤さんの「不在」に終止符が打たれたことの方が大きく、また喜ばしい出来事ではあります。

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◎展示情報

【展覧会名】
伊藤歌奈子個展
「あなたの不在
わたしの不在」

【会場】
喫茶 モノコト
名古屋市千種区内山3-28-1 ちくさ正文館2F

【開催日時】
2017.8.8(火)― 27(日)  12:00-21:00

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海牛目(かいぎゅうもく) ただの美術愛好家  社畜と家畜の狭間にtwitterを回遊  展示周りも基本狭間のみ 作り手でもなくコレクターでもなく、自他ともに認める「観るだけの人」 体力の無さには自信あり
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