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アーツチャレンジ2018 感想レポート

 

芸文センターで開かれているアーツチャレンジ2018を観てきたので感想をレポートします。

これまでは11階の回廊や、12階の部屋も展示に用いられていましたが、今年は芸文センターの改修と重なったため地下1階、2階のみでの開催です。

ちょっとこじんまりした感はありますが、観て回るのは(特にスタンプラリーは)楽になったかもしれません。

地下二階の受付に向かうといきなり、椋本真理子さんのカラフルな立体が目に飛び込んできます。
人工的な風景として、「ダム」と「プール」がモチーフにされていますが、本来大きさも用途も異なるものが仲良く並んでいるのがほほえましくもあります。

一階に上がると吉田絢乃さんの作品が、壁や柱を覆うように地層を形成しています。壁にシートを張り付けたようで表面はしわが寄っています。全体が茶色っぽいのですが、層ごとに紫色っぽかったり緑色が強かったりしますが、下には足があって中ほどは手もちゃんとあります。層は横につながっているので、この人(?)たちの記憶や経験は共通したものということでしょうか。

また地下二階に降りて奥に進むと、通路突き当りの一見何もない空間が小宮太郎さんの作品です。向かい合わせに通常使われないドアがあるのですが、片方はマスキングテープでできています。だまし絵の手法としては珍しくはありませんが、マスキングテープを「貼る」という行為によって出来上がっているところが新鮮です。

通路に沿った展示ケース内には彫刻がそれぞれ置かれています。小笠原周さんの作品はマンガのコマのように、ボクシングの一幕を石の彫刻で作っています。
文章にすればそれだけですが、上からの強い照明にキラキラ光る彫刻の質感が、いかにもマンガっぽい外観とちぐはぐで印象的です。

一旦外に出て階段を上ると、佐藤美代さんのアニメーションが展示されています。
言葉遊び自体も面白いのですが、それを柔らかな絵で表現しています。

階段には道楽同盟の仕掛けがあって、階段の上の箱からピンポン玉が転がりでて、階段のそれぞれの踊り場に置かれた下の箱へ入ってはまた下へと転がってゆきます。
箱に入るときに音が鳴るのでしょうか、時折コンコーンという音が響きます。
(ただ、ピンポン玉は上階で人が通ると出てくるのか、自分が観ている間は人が来なくてなかなか玉が転がってこず、寒風にさらされてしまいました。)

一番奥のやや広い部屋では小松原智史さんの展示が広がっています。
細い筆やペンに墨で細かい描写の集積を延々と連ねてゆく画面が、さらに壁を覆うように並べられ積み上げられ、全く何が描かれているのかわからなくなります。
「何が」が消え失せた部屋には、ただ「描く」というエネルギーが空間に満ちているかのようです。

最後にアートプラザの奥(ここに部屋があるとは知りませんでした)には、山本愛子さんの展示があります。
キャンバスに立てられたピンに絡まるように、黒い繭の糸が張り巡らされています。
照明によって細い糸の作る影が浮き立ちます。繊細さが印象の強さに結びつく不思議を感じます。五線譜がほどけていく作品も、糸の繊細な存在感が効いているように思います。

さて、無事にスタンプラリーを完成させてオリジナルグッズのメジャーを貰いました。
しかし、作品達に触れた後ではメジャー(基準)も新たに作り直さねばならないかもしれません。

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◎展示情報

【展覧会名】
アーツ・チャレンジ2018

【会場】
愛知芸術文化センター

【開催日時】
2018.2.14(水)~2.25(日) 10:00-18:00 休館日:2.19(月)

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海牛目

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海牛目(かいぎゅうもく) ただの美術愛好家  社畜と家畜の狭間にtwitterを回遊  展示周りも基本狭間のみ 作り手でもなくコレクターでもなく、自他ともに認める「観るだけの人」 体力の無さには自信あり
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