440

「コヤギ brass tomb展」at「大須モノコト」interview

コヤギ「brass tomb」展

2021年 8月11日(水)〜9月5日(日) 大須モノコト(本店)


8月13日にお話をお伺いしました。

 

【Interview】

 

 

▲今回の展示の「Brass Tomb」で真鍮作品だけではなくて陶器を作るきっかけは何だったんですか?

 

きっかけは今年の春ごろに静岡の「village」に出店が決まっていたんですよ。

はじめていくところで、そのテーマが「白」に決まっていたんです。

前に樹脂のレジン液にアクリル絵の具の白を混ぜて馬とか鳥とか作ってはいたんですよ。

普段、私は真鍮だから白色に合わせるのは難しいですけど、

前と同じことをやるのはつまんないなって思って、今度は違う素材を使おうって思っていて、知り合いに陶器の作家さんがいて相談をしたんです。

その人から快く「じゃあやりましょう」と返事をもらって、だからそれがきっかけです。

制作していて、すごく楽しみにしていたんですけど、コロナで愛知も緊急事態宣言が出ていた時期で自粛しなきゃいけなくなってしまって、

一旦は陶器の作品がお披露目できない状態になって予定がなくなってしまったんです。

それで今回のモノコトでの展示になりました。

 

 

▲そういう経緯だったんですね。いつもの真鍮と違って陶器の作品での反応はいかがでしたか?

 

普段のアクセサリー好きの人とはまた違う人も観てくれて、とても新鮮な気持ちです。

いつもは年配のおじさまとか真鍮をパッと観てくれるけど自分で身につける訳じゃないから、

特に一歩踏み込んだ反応があるってわけでもないんですけど、

今回はわりと男性の人もちゃんと観てくれていてそれがすごい嬉しいです。

真鍮やシルバーの素材だけではなくてこれまでとは違う視点とか面白くて、本当にやってよかったなあと思います。

もっと、いろんな素材を試してみたいなあとも想っています。

 

 

 

▲ステキな感じで幅の広がる新規開拓ですね。陶器というかこの物体は何だろうなって、気になりますからね。

すこし前からモノコト本店のネイビーの壁が出来て今回の展示が祭壇みたいでとても映えますね。

砂の上に陶器を置くってアイデアは面白いですね。

 

 

作品とバランスのいい感じに収まった感じです。うちのオーナーが白川公園で砂は拾ってきましたよ。散歩の時に。

 

▲ああ、どおりで。(オーナーの)森田こころさん、散歩が好きですからね。あれなんですか?

 

 

真ん中に置いてあるのは、パクチーの根っこなんです。

それもジンジャーモノコトでオーナーが作るキーマカレーの具材で置きっぱなしになっていたのを持ってきました。

 

▲それがブリコラージュされて展示の中央メインのところに鎮座することになったんですね。

右の壁にある透明なものは何ですか?

 

 

 

樹脂なんですよ。型に樹脂を入れて、

中に入っている真鍮もアクセサリーになれなかった部分で、切り抜いた端っことか余ったものを選んで並べていれて閉じ込めて作りました。

 

 

真ん中の作品はガラスを使ってあるんですけど、割れてしまって、商品にならなくなったものなんですよ。

割れているほうがあの作品には合っていると思って敢えてあのガラスを選んで使いました。

ガラスの上に刺さっている木の板は彫金の時に糸の子やドリルを固定に使う道具なんですけど、

その時にガンガン木の板に打ちつけるから、ドンドン古くなってしまうんですけど、

それが7年くらい使っていて折れてしまったんです。

でも、それが恰好よくてずっと取って残しておいたものを作品の一部にしました。

そう、あの木には思い入れが強かったんです。

 

▲それで情念がこもっていそうなんですね。ちなみに左の壁の作品はなんですか?

 

 

左の壁は3つ円がありますよね。

いちばん上の円は本当は真鍮のお皿を作りたかったんです。

真鍮をたくさん叩いて形を変えていくんですけど、それで一生懸命になりすぎてしまって真ん中に穴が空いてしまったんです。

売り物としてのお皿にはならないけど、それもいい感じになったから残しておいたんです。

一番下の平たい状態から、真ん中の膨らんだ状態になって、

上のお皿になる工程を時間の流れとしてもオブジェとして見せられるかなと思って作りました。

 

▲わあ、すごい。最後が、完成しているお皿ではなくて「わびさび」でいうナチュラルに未完の美学じゃないですか。

今回の展示が真鍮の端材を再利用するところからはじまって、余すことなく循環させていますね。

今度から自分も「なんかいいなあ」ってグッときたら取っておいて、アイデアが浮かんだら材料にします。勉強になります!

 

 

 

▲今後のイベント開催予定などはありますか?

 

来月、またモノコト本店で、服飾作家のヒガシトキさんとの合同展示があります。

お互いに、民族を意識して作品の制作をして、それを一緒に展示できればと思っています。

 

▲これまでの真鍮とはまた違った感じの作品になりそうですか?

 

合同に作るわけではないですけど、やはり普段とは違う感じを出していきたいなと思っています。

 

自分の中の大きいテーマでは民族っぽい大ぶりなネックレスとかブローチとかつくりたいなと思っています。

それでそこにも色んな素材を混ぜていきたいなと思っています。

楽しいのでいろいろ使ってみたいです。

 

▲また9月の展示が楽しみですね。ありがとうございました。

 

はい、また遊びに来てください。ありがとうございました。

 

 

 

【Profile & info】

 

「コヤギ」金工作家

大須モノコトの店長をしています。店舗のアトリエで制作やワークショップも行っています。

 

【WEB SHOP / SNS】

BASE:https://koyagi0429.thebase.in/ 

Instagram:https://www.instagram.com/koyagiyuki/ (@koyagiyuki)

Twitter:https://twitter.com/yuketty (@yuketty)

 

「ヒガシトキ」

 

2020年にグラフィックデザイナー/イラストレーターである梁玉恬(LIANG Yutian)により立ち上げ、

「天馬行空」な発想、ユニークなイラストやファッションを創作し、販売をしています。

日常の風景や出来事をモチーフに、愛情をもって観察し、独創的なデザインへと変わっていきます。

 

【WEB SHOP / SNS】

HP:https://higaxitoki.com/

Creema :https://www.creema.jp/c/higaxitoki

Instagram:https://www.instagram.com/higaxitoki/

Twitter:https://twitter.com/higaxitoki

 

【次回開催のご案内】

「ヒガシトキ × コヤギ」展

2021年 9月15日(水)〜9月27日(月) 大須モノコト(本店)

 

【店舗情報】

大須モノコト(本店)

営業時間:12:00-21:00

定休日:火曜日 (イベントの出店などにより臨時休業あり〼)

住所:名古屋市中区大須2−25−4 久野ビル2階

 

★地下鉄鶴舞線 大須観音駅 2番出口より徒歩2分

電話:052-204-0206

 

 

Pocket
LINEで送る

The following two tabs change content below.
堅田 残光

堅田 残光

造文作家。 起源は滋賀県堅田町。東/南スラヴとの混血。 獅子座。O型。白痴派。ムダにもち肌。 ご執筆などのご依頼はこちらまでお願いいたします! → cotenpa@gmail.com
堅田 残光

最新記事 by 堅田 残光 (全て見る)