サンフランシスコに降り立ち、ソルトレイク、シャイアン、デンバー、シカゴ、メンフィス、ニューオリンズ、19日目にロサンゼルスに辿り着く。自動販売機の1ドルのサンドイッチで空腹を凌ぎ、キリスト教青年会、いわゆるYMCAの1ドル宿や深夜バスで車中泊という、若いからこそ可能な旅でもあった。Tシャツから、すぐにダッフルコートを着込まなければならない気温差に、アメリカの広大さも感じた。
このアメリカ旅行での経験が、自身の人生を大きく変えた。1992年、再び、アメリカへ。20年前に撮りきれなかったものを捉えるために。以来、機会ある毎ににアメリカに通ってはシャッターを切ってきた。旅はひとりがいい。おもむくままに各地を周り撮影された作品は、ロードムービーのようでもある。2012年から毎年、福島県の浪江に入り風景を収め続けるのも、彼にとって残しておかなければならない、痛切な〝オン・ザ・ロード〟であるからだろう。
今展では、1973年、1992年、2017年のアメリカ、2018年の福島県浪江と異なった時間、土地の作品が並べられる。かつてのアメリカでは人種差別が色濃く残っていたし、しばしば、よそ者であることを肌で感じさせられた。しかし、人や街とは違い、道は誰をも受け入れる。そうして、いずこかへ導いてくれる。作品を観るあなたも、また同じく。
【展覧会名】
Naruse Tomohiko Exhibition「ON THE ROAD」
【開催日時】
2019-03-16 〜 2019-03-31
13:00 − 20:00
休館日:会期中無休
【ジャンル】
【会場】
L gallery
名古屋市名東区本郷 1-43The Apartment LiF F-1
【Webサイト】
【料金】
入場無料
【詳細】
作家在廊日
2019.3/16(土)、17(日)、21(木・祝)、23(土)、24(日)、30(土)
“ 1992 Jun. new york / 2019 ed.5 ”
【お問い合わせ先】
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052-774-5599